天然歯リムーブキーパー技工|キャップ式磁性アタッチメント(MACS)

MRI診断に対応 リムーブキーパー キーパー可撤式磁性アタッチメント

※購入先:KOデンタル株式会社(TEL:04-7133-2622)
※製作推奨技工所:杏友会(TEL:03-3334-2621)

製品の概要

(1)製品の特長

MRI(磁気共鳴画像)診断に対応して、キーパーが簡単に取り外せることにより撮影時の影響を低減できるキーパー可撤式の磁性アタッチメントです。
キーパーを鋳接しないため、キーパー表面の研磨が不要であり、表面の平坦さが維持されて吸引力の低下を防止します。また、酸処理によるキーパーの劣化を防ぎます。

(2)製品の構造

(3)技工操作の概要

①側面版にキーパー用トレー(※1)のみを鋳接します(図2)。

キーパー用トレーが鋳接された側面版を研磨後、専用ドライバーにてキーパースクリュー及びキーパーリングを取り付けてください(図3)。

※1)キーパー用トレーにはキーパー(キーパーリング、キーパースクリュー)が組み付けられた状態で梱包しておりますので、キーパーを専用ドライバー(写真3)にて取り外し、かわりに鋳造用治具(写真3)を取り付けた後、根面板のワックスアップに埋め込んでください。なお、鋳造用治具は鋳造のみに使用し、その後は破棄します。

治療のステップ

診療室 技工所
(1)支台歯形成・印象採得
支台歯形成及び印象採得をします(クリアランスは5mm以上が適当です。)
支台歯はすり鉢状にする(直径約4mm)と吸着面を低くすることができます。
(2)根面板作成
キーパー用トレーを埋め込み、キーパーを取り付けた根面板を作成します。
技工所における根面板作成の手順が他の磁性アタッチメントの場合と異なるため、次項で詳細にその手順を説明します。
(3)根面板合着
根面板を合着します。その後磁石構造体を吸着させた状態で、義歯製作のための印象採得を行います。
(4)義歯作製
(5)磁石構造体合着
①余剰のレジンを逃がすために作製された義歯に板遁路を付与します。また、即時重合レジンの入るスペースをとるため、義歯内部凹みを一層削ります。
②内部の凹みに即時重合レジンを盛り、磁石構造体の吸着さられた状態の口腔内に戻し硬化を待ちます(約5分)
③即時重合レジン硬化後、義歯を外すことによりマグネット義歯が完成します。

根面板作製の手順

(1)ワックスアップ

①ワックスアップ
納品時は、キーパー用トレーにキーパーが取り付けてられているためキーパーを外し、代わりに鋳造用治具を取り付けます(写真4)。
ねじ込まれた鋳造用治具を2~3山yるめ、キーパー用トレーの底よりアンチフラックス(グラファイトペースト)を塗布し、手早くデザインナイフなどを利用してしっかり締め込みます(写真5)。
取り付けの際のアンチフラックスが乾いてしまうと、鋳造用治具の浮き上がりの原因になります。また、締め込みがあまいと後にスクリューキーパーが確実に入らなくなるので注意してください。
※4)アンチフラックス(グラファイトペースト)は黒色ですが、写真においては見やすいように白色で示します。

②キーパー用トレーの埋込み
ワックスアップされた根面板に、鋳造用治具が取り付けられたキーパー用トレーを埋め込みます(写真6)埋め込みの際、キーパー用トレーを熱くしすぎるとワックスが溶けて接合部にワックスが流れ込みやすいので十分注意してください。実態顕微鏡下でワックスが流れ込んでいないか確認してワックスアップを完成させます。

(2)鋳造

スプルー線を植立し(写真7)、通法により埋没後、金合金、金銀パラジウム合金などの歯科用金属を用いて鋳造します。炉内係留時間を通常より15分程度長めに設定します。鋳造にあたっては鋳造用治具及びキーパー用トレーが冷やし金の作用をするため、炉内から取り出した後、直ちに鋳造してください。

(3)掘り出し・研磨

スプルー線を外し、鋳造用治具をプライヤー等で外します(写真9)。ここで必要に応じて酸浴処理を行います。但し、酸浴処理は1分程度にして長く行わないようにしてください。その後、接合部を傷つけないように注意深く研磨します。

(4)キーパー取り付け

根面板に鋳接されたキーパー用トレー(写真10)にキーパー(キーパースクリュー、リングキーパー)を取り付けます。

注意
キーパーの取付は、根面板を模型に戻すか、根面板をプライヤー等でしっかり保持した上で確実に専用ドライバーにて締付けて下さい。締付けが弱いと緩むことがあるのでご注意下さい。

(5)キーパー完成

キーパー可撤式根面板の完成(写真11)